六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「だから、一緒に来て一緒に飯食おうって誘ったんだろ?
自分で断ったんだから、心配することないよ」
「そーそー。
その辺であんぱんでもかじってんじゃないの?」
清良、それは刑事さんの張り込みです。
そうでなくて。
「岡崎さんて……友達いないんじゃないかなあ……」
「いないだろーな。
あれだけ性格が悪ければ」
「顔はめちゃくちゃ良いのに、残念なやつだよねー」
「もう!二人だって良くないよ!」
あたしは思わず、大きな声を出してしまった。
珍しい出来事に、二人とも驚いて黙ってしまう。
「ご、ごめんね……。
でもね、岡崎さんの事、あまり悪く言わないでほしい……」
声のボリュームを落とした。
どこかで監視している岡崎さんに、聞こえないように。