はかない想い
始まりの場所☆★
 (緊張するなぁ~♪♪ちゃんと返事出来るかな?)




 そんなコトを思って焦っていると、
後ろから声がした。




 「沙代ぉ~~!!待ってぇ~~!!」




 私は、
三浦沙代(ミウラ サヨ)。


 現在13歳。



 今日は、
私が通う早乙女学園の入学式。



 早乙女学園は、
中学と高校が共学なのだ。



 真新しい制服に身を包み、
肩よりも長い髪の毛を揺らしながら振り向いた彼女は、
大きい瞳を煌めかせながら、
友達の加藤美優(カトウ ミユ)を見つめてこう言いながら手を差し出した。




 「もう!!遅いよぉ~速くしないと遅刻しちゃうじゃん!!ほら!!」



 美優は何で手を出したのか分からず、
きょとんとしていた。



 「手を繋いだ方が遅れないでしょ♪」



 艶のある唇をにっこりさせて、
沙代は言った。



 美優はようやく理解したらしく、
美優の前に出された沙代の手を握り返した。



 「うん♪」



 手を繋ぎ、
沙代と美優は顔を見合わせながら笑った。



 そして、
2人で早乙女学園へと足を走らせた。―――――








 ―――――早乙女学園前



 「やっと着いたねぇ~」



 息を切らせながら美優が言った。



 (と……遠い。明らかに遠すぎる………)



 沙代が参った顔をしていたら、
後ろから誰かにぶつかられた。



 ドンッ



 「痛ッ!!何?誰??」



 沙代が振り返ると、
そこには紛れもない不良の男子が立っていた。




 沙代の顔が真顔になった。



 (やばい!!不良苦手!!どうしよう?怖い………)



 沙代は、
幼いときに不良にぶつかって、
その不良にすごく怒られたコトがあるのだ。



 それ以来、
沙代は不良が苦手になった。
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