はかない想い
 「ちょ…沙代……待…って……ハァ」



 美優は、
息を切らせながら、
沙代の肩を掴んだ。



 「あ!!ごめん美優~!不良怖くって…」



 「別に…気にしないけど……超疲れた……」



 「ほんとに…ごめんね」



 美優は、
膝に手をついて、
ゆっくりと深呼吸した。



 「もう平気♪大丈夫だから速く行こう☆」



 美優は、
思いっきり笑って沙代を見た。



 「うん♪行こっかぁ」



 沙代と美優は、
手を繋ぎなおして、
体育館へと急いだ。―――――





 ―――――体育館前



 体育館には、
すでに多くの人が来ていた。



 沙代と美優は、
受付へ行き、
制服の胸の辺りに花を付けてもらい、
席の場所を教えてもらって、
自分たちの席へ行った。



 運良く、
沙代と美優は同じクラスだった。




 美優が、
満面の笑みで話しかけてきた。


 「良かったねぇ☆同じクラスだぁ~♪」



 (可愛い………)


 沙代でもそう想うほどだった。



 美優は、
とても美人な方で、
沙代も美優に負けないくらい美人なのだが、
美優は人見知りが少しあり、
またそれが良いという変な男子の考えで、
実質沙代より美優の方がもてているのだ。



 美優と違って、
沙代は誰とでも仲良くするタイプだ。



 「だね☆それより、友達作れるかなぁ?」



 沙代が言った。



 美優は心配な顔をした。



 「新しい友達作っても、私等はずっと心友だよね?」



 「あったり前じゃんかぁ~!!わたしが美優と心友で無くなるなんてありえないよ!!」



 そう、
ありえないって思ってた。



 この時は……。



 美優とは…
絶対に離れないなんて思ってたんだ。



 だって…
あんなコトになるとは思わなかったんだもん。



 ねぇ?美優。


 わたしは、
まだ信じてるよ?



 美優がわたしの元へ帰って来てくれるコトを………。
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