はかない想い
 入学式も、
無事に終了して、
初めての教室へ向かった。



 やはり、
入学式の校長のあいさつは、
とても長いもので、
あちこちから欠伸が聞こえていた。


 美優と沙代もその一人だった。



 「ふぁ~…疲れたねぇ~~」



 「ほんとほんと……欠伸が何回出たコトか」



 と、
言いながら沙代は欠伸をした。




 「あぁ♪そぉ言いながら欠伸してるし!!」





 沙代は、
そぅ言われて少し顔を赤くした。


 「あれぇ?どしたん??顔赤いよぉ♪」



 美優がにやにやしながら言ってきた。



 「ち、違うもん!!」



 沙代は歩くペースを速くした。



 そして、
後ろを振り返り美優に言った。


 「何してるの!速く行こう♪」




 美優は、
とっさに気が付いた。


 「あ!話そらした!!」



 「そ、そらしてなんか……」



 ドンッ


 沙代は誰かにぶつかった。



 「痛っっ!」


 (今日は結構ぶつかるなぁー)




 沙代が振り向いた先には、
あの時にいた不良女子だった。


 (うげぇーー!最悪ぅーー)


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