孤島 臨終朗の誤算
剣術は精神修養の武道だと?戯れを…
孤島 臨終朗(ことう りんじゅうろう)。

誰が呼び出したのか、それが俺の異名だ。

夜な夜な街を徘徊しては、腕自慢の喧嘩屋、警察官、ヤクザ、武道家…その他諸々に決闘を挑み、斬る。

一度刃を結んだら最期、臨終まで戦い続ける。

故にこのような異名がつけられたらしい。

下らん。

実に下らん。

剣とは凶器である。

剣術とは戦の為の技術である。

一度抜いたら最期、どちらかが逝くまで斬り合う。

これは至極当然の事である。

そんな当然の事をしている者に対して、異名までつけて特別視し、震え上がるとは。

軟弱。

実に脆弱な事だ。

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