孤島 臨終朗の誤算
興味本位に俺をつけていて、迷い込んだ。

そういった風ではない。

その証に、その女子の手にもまた、太刀が握られていた。

後に知る事だが、『水銀月華(すいぎんげつか)』という銘らしい。

今宵の満月のように、銀色に光り輝く銘刀。

人によって、美術品だ芸術品だと持て囃す事だろう。

…笑止。

俺はそんな輩を嘲笑う。

刀は何の為に鍛えられたものか。

それを考えれば、刀に対して美術品などという言葉は自ずと使えなくなる。

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