遊びじゃない

しぶしぶ頷くと手の拘束はすぐに解かれて、黒目がちな眼鏡の奥は満足げに細められる。

「素直なまおちゃんは可愛いのになぁ。」

…おいおい、聞き捨てならんよ。

可愛いとか、綺麗とか、そんなコトは関係なく付き合っていられるから楽だったのに、そんな感情はわざわざ伝えてもらわなくていい。

枝豆を口に運びながらそんなことを呟くゆうを思いっきり不機嫌な顔で睨みつける。

「どうでもいいし。」

口を尖らせて好物の鶏皮を串から直接口に入れて呟くと、またまた慌てたように手を振る男。

「あ、違うよ、ただの感想だから。僕、眼鏡女子以外興味ないし。」


……まさに、それもどうでもいいんだって。


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