遊びじゃない
少しだけフワフワした気分でゆうに送ってもらいながら歩く家までの道。
何を考えているんだか、何も考えてないんだかわからない男は、無言で歩を進めていても全然気にならないくらいの空気感で隣を歩いている。
ふと、さっきの素直だと可愛い発言が頭に浮かぶ。
「ね、やっぱり男の人って素直な女が好きなの?」
別になんてことない質問。
ゆうが素直な女の子を好きなのかとか、麻生さんもそうなのかなとか、そんなことは考えてなくて、ただ話のきっかけにしただけのもの…なのに。
「そう、なのかなぁ…?麻生さんなんかは素直な子が好きだって言ってたような気がするけど。」
…なんで、あの人の名前が出てくるのよ。
途端に何だか掌もじんわり汗ばんで、心なしか心拍数も少し上昇している。