遊びじゃない
「麻央ちゃん」
髪を撫でられる感触と、耳元の甘い囁きに重い瞼をなんとかこじ開けると、真っ白いタオルを腰に巻きつけただけの麻生さんが目の前で微笑む。
いつもそれなりにセットされている前髪から雫がポタポタ落ちていて、湯気を纏った麻生さんの上半身に、そんなに眠ったわけじゃないんだと思う。
「あ…寝ちゃって…」
少し楽になったようにも思う体をゆっくり起こそうとすると、私の両脇に肘をついて圧し掛かる麻生さんの重み。
口を開くと即座にねじ込まれる舌に、瞬時に反応してしまう自分の舌が憎らしい。
冷たくなった雫が顔に落ちてくるのも気にならないくらい、執拗に咥内を探られて、呼吸さえも怪しくなる。