遊びじゃない
結局、会社帰りになんとなくのぞいたチョコレート専門店で、義理とも本命ともつかない値段の物をひとつ買って、バレンタインも数日過ぎ去ってから誘われた例のお店で差し出した。
「貰えるとは思わなかったよ、ありがとう。」なんて、何回も言いなれたように驚きもなくすんなり受け取られて、気分が沈んだだけで。
ペリエをひたすら飲んでフワフワした気分にもならなかったから、送るという麻生さんの言葉を遮って電車で帰ってきて…それから、1回も連絡がない。
もう2月も最後の週が始まった月曜の朝。
来月の上旬には美織が産休に入っちゃうっていうのに、私ときたら全然安心させられないまま…。
これ以上突き出たらどうなっちゃうのってくらいせり出したお腹を抱えながら、いくらデスクワークだといっても相当堪えるようで。
日々ダルそうに過ごしてる美織をこれ以上心配させられない。仕事上の手伝えることはもちろん率先してやっているけど、もうそういんじゃなくて、座っていることさえ億劫そうなこの頃。