遊びじゃない

「う~ん、いつもじゃないけど、ね。」

僕仕事遅いし、なんてヘラヘラ笑う草食系は何とも頼りなくて、思わずバシッと背中を叩きたくなる。

「まあいいんじゃないの、ゆうはゆうのペースで仕事すれば…っと、来た来た、乾杯しよ。」

手渡されたビールをカチンと合わせて乾杯して一気に1/3ほど飲み干すと、慌てたように私のジョッキを取り上げようとする。

「ちょ、ちょっと、まおちゃん!なんでそんなにペース速いの。そんなヤケクソみたいに飲まなくていいのに。」

「…いいじゃん、ちゃんとゆうが送ってくれるんでしょ?私が奢るし。」

「奢られてなくても送るんだって。酔っ払った女の子を1人で帰せないでしょうが…。」

困ったように私の手を押さえたままの草食系おじさんは、同じ歳の私も女の子扱いしてくれるようで。
麻生さんとは違う女の子扱いに、妙に気恥ずかしくなる。

「…わかったよ、今日はこれでおしまいにする。」

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