王様と庶民
ドアを開けると、急に風が入り込んできて一瞬息苦しくなった。
私は高二になって始めて屋上に入ったのだ。
亜子の呼び出しがない限り、一度も来なかっただろう。
ここの空気は新鮮で綺麗だ。
あのクラスとは程遠い場所。
同じ学校だというのに、全く違う存在。
汚れは多少見受けられるが、その汚れとは意味が違う。
うちのクラスの汚れは、黒い。
屋上の汚れは、青い。
冗談を言っているのではなく、本当に、純粋にそう思った。