届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「気にしないで下さい。紗羽ちゃんも寂しいんですよ。」

「そうですよ。いつも大きなお家で一人ぼっちだから甘えたいんですよ。」

なんて、さっきまで迷惑とか言っていた看護師達が。

とろける様な笑顔をしながら。

お兄ちゃんに返事した。

「すいません。オレが甘やかしすぎているから、皆さんに迷惑かけちゃって…。」

申し訳なさそうに軽く頭を下げた。

「とんでもない。ここにきて寂しさが紛れるなら、私達は歓迎します。」

絶対嘘!!

その笑顔の下には。

ウザい!!

とか。

適当に取り入っとけ!!

とか。

そんな感情しかないでしょ?

だいたい、お父さんに嫌われているあたしだから。

関わったらクビになるでしょ?

そんなお荷物が来たら、本当は困るくせに!!

眉をゆがませながら、ジッと看護師達の顔を見回して。

ギュッと口を閉じたまま口をとがらせる。

< 102 / 570 >

この作品をシェア

pagetop