届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「嘘を言うな。」
ウソってバレバレなのに、その優しい口調。
視線はそむけているけど、優しく微笑んでいるのが口調で分かる。
「…だって。」
膨れていたホッペは、段々としぼみながら口をとがらせてゆく。
ワガママを言いたいわけじゃない。
ただ…このまま、さよならをしたくない。
そんな味わったことのない感情がこみ上げて。
この感情は、お兄ちゃんがかまてくれない寂しさが発させて。
その寂しさが、ワガママなあたしにさせるんだ。
「仕方ない…宿題見てあげるから。」
「本当に!?」
ウソ!?
冗談でしょ?
そう思うには十分なくらい、目を丸くしながら見た霧生くんの顔は渋っている。
「ホントに。」
少しため息交じりの言葉だったけど。
霧生くんがポンとヘルメットをあたしの頭に乗せた。
まさか、わがままに付き合ってくれると思わなかったから。
意外な答えに少し驚いたけど。
ご機嫌でバイクに乗ると、霧生くんの家に向かった。