届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

キレイだから、芸能人と勘違いしてるのかな?

でも、どこかで会った気が…。

それが引っ掛かって、後ろ手に隠した写真を見ようとしているんだけど。

あの美人な顔。

確か…

「あぁっ!!外科の研修医の冬槻(ふゆつき)だ!!」

間違いなんかじゃない。

ドクター共が、美人研修医が来たって騒いでいて。

お兄ちゃんまでキレイとか言ってたし。

しかも、お兄ちゃんと同じ医学部の先輩って聞いて、どんな美人かと偵察に行ったんだから。

お兄ちゃんとの関係が気になって。

彼氏いるって聞いて安心したんだ。

その彼氏が霧生くんだったのか…

「そうだよ。」

さっきまでの慌てた口調なんかじゃない。

諦めとため息と。

ちょっと寂しそうに視線を下に向けた。

「いつから付き合ってたの?」

「高校の2年から。実家が目の前だったから、生まれた時から一緒にいるけどな。」

「長くない?」

「まぁ…な。」

霧生くんの切なそうに笑う顔に。

チクリと胸が痛んだ。

でも、どうしても気になって。
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