届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「ちょっと?」
聞くのは怖かったけど。
心なんか関係なく口が動いてしまう。
そんな心を見透かされないように、視線を外した。
その視界にチラッと入ってきたのは、お兄ちゃんの組んだ腕から少しだけ見える車の鍵。
もしかして、ずっと探しててくれたの?
直感が働く。
どれくらい心配してくれたの?
あたしを探し回る姿を想像したら、キュウッと強く胸が締め付けられる。
「ごめんなさい。最近、お兄ちゃん忙しくて寂しかったから。」
お兄ちゃんに、ギュッと抱きついた。
この言葉だけはウソなんかじゃない。
それだけがせめてもの罪滅ぼし。
「そうだったのか。ごめんな、寂しくさせちゃって。じゃあ、今日は特別に2人で1日過ごそう?」
ギュッと抱き返してくれた。
その振動に、思わず涙がこぼれ落ちた。
「うん。」
いつもの優しいお兄ちゃんだ。
そのまま、2人で学校をサボって。
どこかに行ったとか。
何をしたわけじゃない。
ただ一緒に、ベッドの中でずっとゴロゴロしていた。
その時間が嬉しくて。
だって、こんなの久しぶりで。
いつものベッドが、まるでフワフワとした夢の中みたいだった。