届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
なんて考えながら廊下を曲がった瞬間。
バチッと目が合った人。
「あっ…。」
目が合った人の顔を見て、小さく声を上げた。
「…。」
その人は声すら上げない。
明らかに忌み嫌うような視線で、こっちを見ている。
周りにたくさんのドクターを従えて。
お父さんだ…。
こんな所で会うなんて。
周りの取り巻きドクター達が、あたしを発見するとピリピリオーラを放ってる。
うつむきながら走って隣を通り過ぎた。
悲しいとかじゃない。
苦しいとかそんな感情なんて、とっくになくなってる。
あるのは憎しみだけ。
なんで生かしているの?
いっその事、殺してくれれば良かった。
小さい頃ずっとそう思っていた。
だから、あの葬式の日が決定的になって。
あたしは親への感情なんて憎しみしか持ち合わせなくなった。
だけど今は生かせてくれた事はうれしい。