届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「病院には色々な病気の人がいる。例えば、カゼでもうつってみろ?オレの心が痛むだろ。」
「そんなの大丈夫だよ。」
「ダメ。チワワのことだ、カゼ引いたから看病しろとか言いそうだしな?」
「……うっ…それは。」
図星を突かれたかのように、モゴッと言葉に詰まって眉をゆがめた。
「ハーゲンダッツのストロベリー、冷蔵庫が埋まるくらい入れておいてあげるから。今日からはメールも電話もあるしな。」
クシャッと頭をなでると、優しくほほ笑んだ。
病院で待っていると、何かに感染しても困るって霧生くんの思いやり。
そんな温かい優しさが、頭をなでた手から胸に流れ込んでくる。
その温かさが、建前でも言いわけでも。
取り繕っているワケでもないって、ハッキリと分かる。
「分かった。なるべく来ない。」
そう約束するとゆっくりドアを開け、人が居ないのを確認して、そっと病室から出て行った。