届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
至近距離の霧生くんの顔は、小さな明かりに映し出されていて。
元から整ってはいたけど。
涙のあとが残った顔が、あやしくキレイに映し出されている。
その顔を見た瞬間。
ドクン…
ドクン…
ドクン…
急激に心臓が鼓動を打ち始めて。
体中が熱く感じるくらい。
「…震えている。」
霧生くんの耳元の言葉が、体の芯(しん)から電流が走ったみたいにジンジンとシビレさせる。
「霧生…く…んの…うつった?」
なんてゴマかして。
今にもふれそうな唇。
微かに震えているのが自分でも分かる。
何だろう?
こんなのお兄ちゃんの時でも感じなかった。
トクン
トクン
って、甘いような感覚なのに。
鼓動はドキドキと高速で体中を走っている。
こんな近くにいたら、霧生くんに聞かれちゃうかな?
なのに、ゆっくりと目を閉じると。
霧生くんの背中にあった手にギュッと力が入る。
「チワワ…?」
霧生くんの声が耳にかかる。
そこから熱くなって。
体中を突き抜ける電流が、握りしめた手にもっと力が入る。