届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
25 幽閉人
気がつくと、見覚えのある自分の部屋のベッドの上だった。
部屋のドアには鍵がかかっていて。
部屋の外には一歩も出られない。
屋根裏部屋でも窓は2つある。
光を入れる小さな窓が天井付近にひとつ。
もうひとつは、空気の入れ替えも出来る普通の窓。
だけど、飛び降りるには高さがありすぎる。
ビルの3階くらいの高さ。
屋根伝いに降りられるけど、滑り落ちたら真っ逆さま。
…どうすることもできない状態。
助けを呼びたくても友達なんかいない。
絢音のように騙すかもしれない。
裏切られるかもしれない。
信用なんてできる友達はいないから。
自分の中で諦めるしかなかった。
もう、お兄ちゃんから逃げられない。
今まであたしの部屋に来る事も無かったお手伝いさんが、意味もなく廊下を行ったり来たりしているのが足音で分る。