届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
慌てて玄関に飛び出したのに、訪問者はすれ違い。
パタリと玄関が閉まった後だった。
あたしの慌て方を見て、家政婦さんが目を丸くして驚いている。
「…今の…誰?」
恐る恐る、家政婦さんに聞いてみた。
「病院の関係者だったらしいですよ。」
やっぱり霧生くん!?
生きていたの?
ゴクリと息を飲んでしまう。
「霧生ってさっき…」
震えそうな声を必死にこらえた。
「はい…どうしました?」
「その男の人、家に何の用事だったの?」
「さあ…」
小さく首をかしげながら、とぼけた顔をしてキッチンに行ってしまった。
…ってことは、あたし関係?
お父さんの病院関係なら、とぼけることなんてしないもん。
急いで部屋に駆け上がると、玄関と門の見える方の窓を開けた。
大きな木の葉っぱの隙間から、男の人の後ろ姿が、なんとなく見える。