届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
27 舞い戻る
一番安全なのは、前回お兄ちゃんに捕まった街。
まさか舞い戻るなんて考えないでしょ!?
前みたいに電車に飛び乗ると、尚吾達のいる街に戻ってきた。
ホテルも前回と全く一緒。
ここまで一緒にしておけば、完全にお兄ちゃんの手から当面は逃れられると思った。
さすがに部屋は違うけど。
早速、前みたいに買い物に行って、暇つぶしに久しぶりにファミレスに来てみた。
ドアが開いた瞬間、一斉に店員の注目を浴びた。
全員が、少し驚いたかのように、アッと小さく口を開くと。
すぐに視線をそらした。
なにか、マズイのかと思った。
だけど、いつもの席に座っている尚吾がうっとりした表情で、目を輝かせながらあたしを見ていた。
店員が一斉に注目したのも、尚吾が陶酔しちゃった顔しているのに、何か関係があるとピンと閃(ひらめ)くものがあった。
この人達、もしかして尚吾とかいう人の取り巻き?
尚吾から何か言われていたんだ。
それに、久しぶりに来たら忘れられてそうなモノなのに。
これは、完璧に尚吾に何か言われている。
それなら一番、納得がいく。
そう思ったら、ファミレスにいるのが嫌になって足早に出ようとした。
「尚吾が心配してたよ。」
ニッコリと笑いながら、イケメン君が話しかけてきた。
「…」
コイツ等に関わっても仕方ないし。
こういう時はシカトに限る。