届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
全てが嫌になって、何もかも忘れてしまいたい。
必死に自分に暗示を掛けて忘れるしかない。
だけど忘れられなくて。
今はそんな事より霧生くんを探さなきゃ。
気持を切り替えると同時にベッドからムクッと起き上がると、着替えてメイクして急いで駅に向かった。
ギリギリ窓口はまだ開いている。
「すいません。…新幹線の切符。」
行き先は霧生くんの実家。
実家にいるとは思えない。
だけど霧生くんの連絡先とか知っているだろうし。
今のあたしは逃亡者状態だから。
いつお兄ちゃんに捕まるか分らない。
尚吾にも、また刺客を送り込まれるか分らない。
全てから逃げて、霧生くんを探さなければいけないから。
もう思いつく限りの事をするしかない。
何か手がかりがあればいい…
祈るような気持で最終の新幹線に乗った。