届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

新幹線に乗って、2時間経ったかな?

ホームに降り立つと、駅の外は真っ暗闇。

改札を出て時刻表を見た。

霧生くんの実家まで、ここから乗り継いで45分。

最終電車は…ない。

夜遅くに行っても悪いし、今日はこの辺りで泊まるかな。

さっきは気付かなかったけど、空一面に広がる満天の星空。

星座なんて分らないけど、チカチカと輝く星に心が奪われた。

こんな星空は実家でも冬くらいしか見られない。

今いる街は星なんて全く見えないし。

ゴッチン!!!!

ものすごい音と共に、するどい痛みが口元を走った。

星を見ていて電柱にぶつかった。

「いったぁ~い!!」

口元を両手で押さえながら地面にうずくまった。

「もう、なんなの?この電柱!!」

八つ当たりもいい所。

痛みを堪えながら、今日泊まるホテルを探し歩き始めた。

…深夜1時過ぎ。

知らない土地でどうやってホテルを探そうか?

タクシーすら走っていない、この田舎町で。

新幹線降りてタクシーもないなんて…

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