届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「そうそう、これね、俺のじゃないんだ。」
「どういう事ですか?」
意外なお兄さんの答えに、大きく眉をゆがませた。
やっぱり…
こんな簡単に見つかるはずもないか。
じゃあ誰のアルバム?
なんで、この人が持っているの?
急速に叩き出されていた鼓動は。
一気に減速するとともに、ズキリと痛みにもにた感覚が胸を貫いた。
「実はさ、それ…貰い物なんだ。大事な人からの。」
「大事な人?」
「うん。憧れていた近所のお姉さんでさ。」
そう言いながら、懐かしいような。
どこか照れたような目を浮かべた。
「教えてくれませんか?その大事な人。もしかしたら、あたしの探している人と知り合いかもなんです。」
すがりつく様な声で、ズキリと痛む胸の奥が、最後の望みに賭けてみた。
「…教えるのは構わないけど、例え知り合いだったとしても、キミの探している人の居所は聞けないよ。」
「何で、ですか?」
「亡くなったんだ。」
ポツリとつぶやくと、照れくさそうな表情は、急に悲しそうな顔になった。
まるで、今にも泣き出してしまいそうで。
「亡くなったって…事故か何かですか?」
あたしの口調さえ、重たくなってしまう。