届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
私服警官や普通の警察官数人と尚吾達が、なにやら言い争っている。
そ~っと近づいて様子を見てみた。
「だから!!女に不自由してないオレが、女を襲って妊娠させるかっつう~の!」
イラダチを抑えきれない顔をして、尚吾の友達のイケメン君が吠えている。
「しかし、現に被害届が出ているんだ。」
イケメン君の手を掴むと、連行しようといている。
「だから、オレは知らないって!!」
暴れるイケメン君を4人がかりで引っ張っていこうとしている。
尚吾達もなんとか止めようと、あがいているけど警察に抑えられている。
「有り得ないから。多分その女って、他の男とセックスして子供出来たんじゃん?親に言えなくて、前に一回だけヤったコイツを思い出したんじゃん?それで、襲われて妊娠した事にした。」
あたしの声が店内中に響いた。
別にかばう必要もないんだけど、なんか放っておけなかった。
相変わらず、顔はやる気はないけど。
それに、あたしが数日前に襲われた事を被害届出したと勘違いされても嫌だし。
「誰だね。キミは。」
ビックリした顔で私服警官が言った。
「その女、よく調べないと大変な事になるよ?」
「被害届けが出ている以上、逮捕しないわけにはいかないんだ。」
そうは言うけど、なんだか弱々しい口調。
妊娠してたのが事実だから?
「あたしの家って病院なんだけど、たまにそういう患者いるんだよね。その被害者って中学生でしょ?」
「…。」
警察が何も言えなくなって、他の警察の人と視線を合わせている。
もしかして当たっちゃった?
よく病院のナース達が言っていたのをハッタリで言ってみたんだけど。
「とりあえず、DNA鑑定した方がいいよ。」
ニッコリ笑って言った。
「…うん…まぁ。じゃあ、毛髪だけ貰って今日は帰るが、本当は有り得ん事だからな!!」
そう言って、イケメン君の毛髪だけ持って帰って行った。
その瞬間、ふわっと温かく優しい腕に包まれた。