届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「ありがとう。」

耳元でイケメン君が囁いた。

「べ…別に…。」

顔は真っ赤だったかもしれない。

だって異常に顔だけ熱いんだもん。

「や~め~ろ~!!!!オレの彼女に手をだすなぁっぁああああああああ!!!!!」

絶叫と共に勢い良く尚吾が飛んできた。

その瞬間、パッと手を離し一歩下がったイケメン君。

「ごめん!!ごめん!!」

そう言いながら笑った。

「オレさえまだ触れてないんだぞ!!!」

鼻息荒くイケメン君の笑顔に近づいていく。

「あのさぁ、いい加減にしてよ…誰がいつ、あなたと付き合いました?」

尚吾の背中越しに冷たく言い放った。

「だって…この間、後輩に彼女って言われて、否定しなかったんでしょ?」

悲しそうな目をしながら、尚吾が振り返った。

「はぁ!?あれは説明メンドかったし…って、大体、人を襲わせるなんて最低じゃん!!そんな人と誰が付き合えるかっていうの!!」

あの夜のことを思い出しただけで腹が立ってくる。

その主犯格が目の前にいるんだから。

怒りをブチまけたくなる。

「そ~れ~は~。」

猫なで声で擦り寄ってくる。

「言い訳無用!!」

冷たく一括。

「あっはははは!!!面白いね。」

急にイケメン君が笑い出した。

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