届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「ナニ笑ってんだよ!!」
尚吾の眉が力強くゆがんだ。
「だって、このコの言う通りじゃん!?ふっつ~に考えて、自分を襲わせた男と付き合うなんて、相当バカか?相当頭おかしいか?だろ?」
ニッコリと笑いながら、あたしの顔を見た。
「分んないじゃないかよ!!」
「オレだったら、そんな女遠慮するね。」
「う~ん…」
なんか悩み始めて固まって動かない。
「ところで、お嬢さん、お名前は?」
尚吾の横をヒョイっと抜けてイケメン君が出てきた。
「なんで、あんた達に答えなきゃいけないかな?」
ムッと口をとがらせた。
「お礼させてください。」
あたしの視線に合わせるかのようにしゃがみこむと、ニッコリと笑った。
「いらないし…関わらないで欲しいくらい。」
眉をゆがめながら、視線をうつむけてそらした。
「いやいや、恩人にきちんとお礼はしたい主義なんだ。」
視線の先を追いかけるように、優しい笑顔をうつむけた視線の中に入れてきた。
「…。」
それでも、何も答えるつもりはない。
別に、お礼が欲しくて助けたわけじゃないし。
まさか、助かるなんて思ってもいなかったもん。
「秀一です。栗沢秀一(くりさわしゅういち)。ちゃんと自己紹介してなかったね。」
スッと右手を出してきた。
なんか、この笑顔が胡散臭いと思うのは、あたしだけ?
だけど、ジッと瞬きせず笑顔で右手を出していて。