届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

お兄ちゃんのときとは、全然違う感触。

お兄ちゃん…。

その言葉が頭の中をよぎった時、激しい恐怖感が襲ってきた。

ダメッ!!!

こんな事できない!!

だけど心とは裏腹に、体は尚吾の動きに反応して全身から熱を発してしまっている。

そう、お兄ちゃんにインプットされているこの体。

反応しないはずなんかなかった。

ここまで、お兄ちゃんに汚染されているなんて…。

泣きたくても泣けない。

気持ち悪くても、体が意思通りに動かない。

尚吾の唇が…

首筋に鎖骨に…。

その度に、体は尚吾を迎え入れていく。

こんな体が悔しい!!!

こんな自分が情けない!!!!

ぎゅっと目をつぶりながら、力の入らないこの体が憎らしくてたまらなかった。

「紗羽…。」

囁くような。

甘い蜜でもこぼれ落ちるかのような優しい尚吾の声に、ゆっくりと目を開けた。

いつの間にか潤んでぼんやりとしている目。

その目を見た瞬間、尚吾の動きがピタリと止まった。

「…しょう…ご?」

甘い吐息のような声が出た。

「お前…。」

少し驚いたような顔をしている。

< 303 / 570 >

この作品をシェア

pagetop