届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

ピタリと動きを止めて顔を上げると、ニッコリ笑いながら秀が立っている。

「違うから!!!!」

強く否定しているのに、秀は笑っている。

「あっ!!お前、紗羽ちゃんの泊まってる所に行ったって?」

パッと、尚吾の腕が解けた。

「あぁ~、行ったよ。お見舞いにね?」

あたしに笑いかけた。

返事を返す間なんてない。

さっと、秀の後ろに隠れると

「尚吾キライ!!!!」

大きな声でハッキリと言った。

「もしかして…何やっちゃったんだよ~!!!」

顔を真っ青にして絶叫しながら、秀に抱きついた。

「ご心配なく。ショウゴンの大事な人には、何もしませんから。」

優しく尚吾を抱きしめた。

その光景がイケメンだから許される姿。

イケメン同士が抱きあっているんだもん。

しかも片や泣き真似しながら。

片や『ショウゴン』なんて、甘く呼びながら頭を撫でて。

どれだけの関係なの?

この二人は…。

妄想が膨らみそうなあたしは、その姿をポカンと立って見ていたけど、ハッと我に返ってここぞとばかり。

「じゃあ、後は任せた。」

ポンと秀の肩を叩きながら、後退りした。

「どこ行くの?」

秀が振り返りながら首をかしげた。

「『G』に行って、亮太に紹介する女の子漁ってくる。」

大きな声で返事をすると、ダッシュで『G』に向かった。


< 316 / 570 >

この作品をシェア

pagetop