届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
39 裏
尚吾を探して襲われそうになった日以来『G』には行ってない。
行く用事もないし、行く必要もなかったから。
久しぶりの『G』は、相変わらず危ない雰囲気。
初めて『G』のフロアに降り立つと、爆音が耳を突き刺す。
目の前には確実に高校生と分かる子達が、堂々とタバコを吸いお酒を飲んでいる。
なかには中学生や小学生と明らかに分かるような子達が、ロッカーや物陰でセックスしている。
何なの!?この無法地帯は。
ア然としながらも、亮太の好みそうな女の子を物色した。
暗くって、イマイチ顔がハッキリしない。
なんとなくだった。
女の子を物色して、店の中をグルリと見回していた時。
フロア奥の目立たないドアから、1人の女の子が出てきた。
観葉植物で、入り口が見えなかったけど…何があるの?
興味本位120%
ゆっくりと女の子の出て来たドアに近づいて行った。
「あっ!!尚吾さんの彼女さん!!」
後ろからポンッと肩を叩き、声をかけてきた。
「え?」
ビックリしながら振り返り顔を見ると、あたしを襲った男がニッコリと笑いながら立っていた。
「やっぱり、尚吾さんの彼女さんだ。」
誰かと間違えている?
でも、あたしの顔を見て言っているわけでしょ?
「あのさ、あたし尚吾の彼女なんかじゃないし。」
イラついた声で答えた。
「あれ?違ったんですか?」
不思議そうに、首をかしげた。