届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
いつの間にか、外は大粒の雨が降り出している。
今日は、仕事なんだろうなぁ…。
明日、また来ればいいかな?
でも、傘も持っていないし。
雨がやむまで待っていようかな?
なんて、もう30分以上はソファに座ったまま。
「雨もやみそうにないし…ずぶ濡れで帰るしかないよね?」
大きなため息をつきながら、ソファに張り付いていたかのような腰を持ち上げた。
エントランスのドアを出ると、思った以上に雨がアスファルトを叩きつけていた。
「よしっ!!」
この中を走って駅まで向かう覚悟を決めて。
足早に外に出た。
それなのに、自然と足が動かなくなる。
叩きつける雨のせいじゃない。
ただ、なんとなくだった。
…ウソ。
もしかしたら、またいなくなっちゃうかなって。
あの時みたいに、いなくなっちゃうんじゃないかなって。
不安が足を止めてしまった。
そして、後ろをゆっくりと振り替えった。
誰もいない…。
当たり前なことなのに、キュウッと胸が締め付けられるように切ない痛みが視線を足元に落とさせる。
明日には…会えるよね?
ゆっくりと上げた視線の中。