届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「お前じゃなくて、あの兄ちゃんだろ?」
冷たい言葉より、真実を知っていることにビックリして頭を上げると。
軽蔑するような、見透かすような目であたしをジッと見つめた。
「…お兄ちゃんの事。」
握りしめた手までカタカタと小さく震えはじめた。
「全部知ってるよ。」
「全部って?」
ドクン!!ドクン!!ドクン!!!
心臓の鼓動が、急速にスピードを上げていく。
「お前達が、兄妹でデキていたのもね…実の兄妹じゃないから関係ないか。」
「…ど…して…?」
知らないうちに、体中は震えていた。
冬槻先生のことだけじゃなく。
あたしとお兄ちゃんの関係を知っていたなんて…。
ウソだよね?
「病院で、知らないヤツはいなかったよ。オレは、近所だったから、何回も目撃しているし。」
「目撃…って?」
目は焦点を定めていない。
言葉もシドロモドロ。
それなのに、霧生くんは真っ直ぐにあたしを見てる。
「キスしてる所。」
ハッキリとした言葉が耳に突き刺さった。
「い…いつから?」
「最初から。」
「…。」
言葉にならなかった。
霧生くんは、初めて会ったときから知っていたんだ。
あたしとお兄ちゃんの関係を。