届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「あぁ~?自分が汚れた人間だと思うなら、嫌いなオレとだってセックスくらいできんだろ?」
声がイラついている。
目がマジだ。
乱暴に胸の上までワンピースをめくりあげた。
「しょ……!!」
言いかけた瞬間。
ピタリと尚吾の動きが止まった。
押さえつけられていた手の力が抜けて。
尚吾はゴクリと息を飲んだ。
そして…
「お……お前…何されているんだ?」
小さく震える声なのに、ドカンッと鈍器で頭でも殴られたくらいの衝撃が胸の中に突き抜けた。
「な………なにって?」
苦笑いを浮かべて、慌てて起き上がるとワンピースを直した。
「てっきり、親にでも虐待されているんだって思った。」
そう言いながら、昨日、お兄ちゃんに殴られて腫れあがった頬にピタリと手を当てた。
あたしは何が起こったか分からなくて。
「え!?」
聞き返すのがやっとだった。
「これ……キスマーク…ってより……噛まれたあとだろう?」
その言葉に、パッと襟元を広げて自分の体を見た。
これ……昨日のお兄ちゃんとの……あとだ。
「………。」
言葉なんか出てこない。
全部、知られた。
うつむいたまま、顔が上げられない。
尚吾の顔が見られない。
「唯……まさか、あのアニキと?」
確かめるかのように、ゆっくりと言葉にした。
グッと唇を噛みしめると。
ポロポロと大粒の涙が、ポタリ・ポタリと手の甲に落ちる。
小さくコクンとうなずいた。