届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「見放したでしょ?あたし、兄妹でそういう関係なんだよ?」
開き直ったように、満面の笑顔を尚吾に向けた。
軽蔑されると思った。
もう、見放されてここから尚吾は立ち去って行くって。
なのに
「悪かった…。」
ギュッとあたしを抱きしめて。
今にも泣きだしそうに悲しくつぶやいた。
不意打ちにも似た行為に目を丸くして。
「尚吾は知っているでしょ?だからあたし、そういう行為には異常な体の反応をするでしょ?」
突き放して欲しいみたいに。
鼻で笑うように冷たい言葉が次々に出てくる。
「んなの、思ったことねえよ……初めて…じゃねえのに…少し驚いたけど。」
照れくさそうに答えた。
その言葉に。
あの時、尚吾が驚いた意味が分かった。
あたし……異常じゃなかったの?
じゃあ……じゃあ……
「同情?」
だからここまで優しく出来るんでしょ?
「同情なんかでここまでできるかよ?そりゃ、オレは情には熱い男かもしれねえけど……。」
こんな状況で、冗談まじりに言われても。
なんの説得力もない。
やっぱり、尚吾はどこか抜けている。
なのに。
スッと体を離すと。
「守りたいって思わせたのは、お前が初めてだよ。」
ジッとあたしの目の奥を見ながら。
初めて見た真剣な表情に。
ドキンって、心が高鳴った。