届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
本当は後悔しているんじゃないかな?
お兄ちゃんに、居なくなったのバレたかな?
今度、連れ戻されたらどうしよう…。
不安で頭の中がいっぱい。
このまま、どこかに消えちゃおうかな…?
ベッドから起き上がると、ゆっくりと部屋のドアを開けた。
リビングに行くと、尚吾と秀のお姉さん宛に手紙を書こうとメモとペンを探した。
月明かりで、なかなか探せなくて。
ガタッ…。
背後の物音にビックリして振り返った。
「唯ちゃん。寝られないの?」
お姉さんが、部屋から出てきちゃった。
「あ…あの。」
なんて答えていいの?
「ねえ、ちょっとベランダに出てみない?」
手招きすると、リビングの大きな窓を開けた。
お姉さんの後に付いて行くように、ベランダに出てみた。
「すっごい!!!!」
目の前に広がったのは、夜景と満天の星空だった。
「冬の深夜にだけ、この景色が見えるのよ。」
あたしとお姉さんは、手すりに寄りかかりながら絶好の景色を見た。
「お姉さんは、ここに1人で住んでいるんですか?」
なんとなく聞いてみた。
一瞬にしてお姉さんの顔が曇ったのが分かった。
「…………そうね。1人で住むしかないのよ。」
どこか悲しそうな笑みを浮かべた。
「どうしてですか?こんなにキレイだったら、彼氏とかいるんじゃないんですか?」
「私は、お金と引き換えに一生を売ったのよ。」
淡々とお姉さんは話す。
「お金と引き換え?」
意味が分からなくて、聞いちゃいけない話なのに突っ込んで聞いてしまった。
「…………。」
お姉さんは少しだけ黙って、大きく深呼吸した。
そして、お姉さんだけじゃない。
-----秀や尚吾の過去も話し始めた。