届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「なに?」
「ちょっと情報入ってきてさ、霧生だっけ?……事故で亡くなったらしいよ。」
秀の言った意味が分からなかった。
霧生くんが死んだ?
事故で?
そんなの、あるはずがない。
まさか…お兄ちゃん!?
目の前が真っ白になって。
小さく体が震える。
立っていることもできなくて、ベッタリと廊下に座り込んだ。
「…嘘だよ…………霧生くんが、死ぬわけないじゃん。」
ポタッ。
ポタッ。
座り込んだひざの上に、大きな涙の粒が次々に弾けてく。
「嘘なんかじゃないよ。未練があったら、話さない方がいいかと思っていたから。」
あたしの顔をのぞき込みながら、真剣な顔をして言った。
「そんなの…そんなの…………。」
秀の胸元をつかむけど、顔をあげられなかった。
涙の大きさが、霧生くんへの思いを映し出しているようで。
秀は何も言わずに抱きしめてくれた。
「おいっ!!何してんだよ!!」
突然、後ろから尚吾の怒鳴り声がした。
「何でもないよ。」
平然に答える秀。
「何でもないわけないだろ!?」
そう怒鳴りながら、尚吾があたしの肩をつかもうとした。