届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「絶対にダメ!!唯ちゃんと尚吾君は、一緒にいなきゃいけないの。他の子となんて、絶対にくっついちゃダメなの!!」
今までに見たこともない怖い面持ちで声を荒げた。
「…………お…お姉さん?」
こんなお姉さん初めてで。
ビックリして、言葉がうまく出ない。
「ごめんなさい。」
ハッと我に返って、視線を下に向けた。
「…う…うん…。」
お姉さんの激しく詰め寄る姿に、まだ驚きが納まらない。
「なんだか、昔の自分を見ているみたいで…唯ちゃんには、同じように後悔してほしくなくて…。」
そう言ながら、あたしの手を優しく握った。
「ありがとう。お姉さん。」
やっぱり、いつものお姉さんだった。
その心が嬉しくて。
いつの間にか、笑顔になっていた。
お姉さんも、ニッコリと笑ってくれた。
「そうだ!!今から尚吾君呼ぶから、ちゃんと話しなさい。」
立ち上がって、部屋から携帯で電話しながら戻ってきた。
「別に…あたしは話とかないし…。」
慌ててソファから立ち上がると、お姉さんの持つ携帯に手を伸ばした。
「ダメダメ!!そんなんだから、いつまで経ってもアヤフヤなままなのよ。」
「でも…。」
「あっ、尚吾君?今どこ?……ちょっと来てくれないかな?」
勝手に話は進んでいく。
3分も話さないうちに、お姉さんは電話を切った。
「本当に、あたしは尚吾とは…。」
お姉さんの顔が見られない。
お姉さんはポンッとあたしの肩を叩いて、にっこり笑った。