届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「そういうこと!!」

笑いながら言った。

「それだけ元気だったら大丈夫だな。」

「心配かけてごめんね…。」

「気にするな。カワイイ唯ちゃんの為ですから。」

「あぁ~、はいはい。」

みんなに同じ事を言っているんだから。

でも、こういう時に言われたら、普通の女の子なら嬉しいんだろうな。

なんて、ちょっとだけ思ってしまった。

秀のおかげで、グチャグチャだった気持ちが、少しずつ落ち着いてきた。

「元気になったみたいだし、デートはおあずけかな?」

まだ冗談言って笑っている。

「そうだね…ありがとう。」

笑いながらも、落ち着いた口調でゆっくりと答えた。

「今日は、何も考えるな。ゆっくり寝て、明日また唯ちゃんの笑顔見せてくれよ。」

優しい声から、電話の向こうで柔らかい笑顔を浮かべているのが分かる。

荒れ果てた心に、ス~ッと柔らかい光が射していく。

秀は女遊びしているだけあって、なぐさめ方もうまいな。

なんて、ちょっと感心しちゃった。

「じゃあ、おやすみ。」

「うん……って、秀は女の子とこれからでしょ?」

「あっ!!バレてたか。何で分るんだよ?」

「秀の行動パターンからいって、ヤラずに寝るわけがない!!」

淡々としながらも、ハッキリと答えた。

「バレてる!!なんか、オレ…今からやってきますって言っているみたいじゃん?」

「違うの!?」

ビックリして思わず突っ込んじゃった。

「唯ちゃんの想像通りです。」

恐縮そうな声で小さく笑った。

「じゃあ、頑張ってね…ん?頑張ってね言うのもオカシイよね。」

「頑張る事って言えば…間違いじゃないな。」

「そ……そうだよね。」

頭の中で想像してしちゃって。

思わず顔が赤くなる。

「それじゃ、明日な。頑張ってくるか!!」

なんて冗談言うから、二人で笑いながら電話を切った。

泣き疲れていたみたいで。

そのまますぐに寝ることが出来た。

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