届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「だって、頑張れって言ったのは唯ちゃんでしょ?」

「そうだけど…いちいち報告しなくていいし。それに、あれは言葉のアヤって言うか…。」

もう耳まで真っ赤。

うつむいてパクパクと言葉にならない口を動かしている。

「そうかぁ~。報告した方がいいかと思ってさ。」

口元を緩めながら、チラッとうつむくあたしの顔を見た。

完全に、からかっている。

「もうぉ、知らない!!!」

そう言いながら逃げるかのように、ミュウの部屋のドアをノックした。

「はぁ~い♪」

甘ったるいかわいい声が聞こえてくると、すぐにドアを開けてくれた。

「あれ?秀さんも一緒だったんですか?」

嬉しそうにニッコリと笑った。。

「違うよ。秀とは偶然さっき会っただけ。」

「そうなんですか。」

あたしはミュウに真っ赤になった顔を見られないように、うつむきながらそそくさと部屋に入った。

「じゃあ、またね!!」

笑顔で手を振ると、秀はどこかに行ってしまった。

ミュウの部屋は、あたしのいた部屋とあまり変わらなくて。

迷うことなく部屋の真ん中のソファに座った。

「で、尚吾が帰ってこないって…。」

「はい。昨日の夜、唯ちゃんに呼び出されたって言って、そのままここに帰ってこなかったんです。」

…えっと、あたしに呼び出された?

お姉さんに呼び出されたんでしょ?

なんで、そんな嘘ついたんだろう?

嘘なんかつかなくていいのに。

それに…

ここに帰ってこない?

少し、ホッとしている自分がいた。

「ビルには帰ってないの?」

口調が急に元気になっていく。

自分、最低だな。

ミュウに期待させて。

なのに、尚吾が優しくしたらイラだって。

こうやって、自分に有利じゃない?

って、思ったら、心のどこかが弾んだように元気になって。

ホント…最低だ。
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