届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「あたしの事が本当に好きだったら…ミュウと付き合って下さい。」

深く、深く頭を下げた。

グイッ!!と、両手で力強く深く下げた頭を尚吾が持ち上げた。

怒っているはずなのに…。

涙でグチャグチャで…。

生クリームの甘さが消えて、しょっぱいはずなのに…。

甘い、甘いキスだった。

いつものキスじゃない。

そこには、ゆっくりとした時間が流れているかのよう。

今まで、こんなキスを尚吾はした事がないのに。

背筋が甘くうずいていくような。

唇から温もりを感じて、あたしの舌を優しく包み込んでくれる。

ぎゅっと胸が張り裂けるような切なさが込み上げてきた。

「オレとキスが出来なくても?オレに抱きしめられる事がなくなっても?それが、全部ミュウのモノになってもそれを選ぶんだな?」

目を開けると、初めて今にも泣きそうな尚吾を見た。

選びたいはずなんかない。

それでも、ここで選ばなかったら、突然、失う事の方が怖いから。

霧生くんの時のように。

だから、覚悟を決めるしかない!!

………コクン。

小さくうなずいた。

そのまま顔を上げることができない。

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