届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

唇を噛み締めて、声を押し殺して涙を流した。

顔は見えないけど、尚吾が泣いているのが分かった。

かすかに聞こえる押し殺した嗚咽。

あんなに嫌いだった奴なのに…。

こんなに好きになっていた。

溢れ出た思いが止まらなくて、しっかりと尚吾に抱きついた。

『これが最後だから…。』

そう言わなくても、尚吾には伝わっていた。

これからの2人の時間を埋め尽くすかのように、あたしをしっかり抱きしめて離さない。

かすかに唇が触れる感覚。

涙のこぼれた尚吾の唇が、何かを確かめるようにゆっくりと触れた。

そして、何度も何度も角度を変えてキスをする。

「……んっ……あっ」

合間で必死に酸素を吸い込みながら、もっともっと尚吾を求めた。

「あっ……」

尚吾の大きな手が、服の中に入ってきて胸を捕らえる。

息が苦しくて。

体中が芯まで熱いよ。

横たわったソファが冷たく感じる。

それでも、止まることはない。

あんなに尚吾を受け入れたくなかったのに…。

今は全て刻み込んで忘れないようにしている。

突き上げるような衝動が体の中を駆け巡って、その度に、身を捩じらす。

「…愛してるよ。」

尚吾は、何回も耳元で囁いた。

このまま時間が止まればいいのに…。

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