届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「気のせいです!!」
キッパリ言い切ったものの、なんか見透かされているみたいで…。
思わずケーキをパクついた。
夢中でケーキをパクついて、視線を合わせないようにしている。
確かに。
自分でも何でか?良く分かっていない。
心の中に何かがグルグルと渦を巻いていて。
尚吾やお姉さんの事なんかじゃなくて、アイツの事だってなんとなく思う。
認めたくない自分と、冷静に見ている自分が8:2の割合で心の中で交差している。
それがお姉さんにはバレたのかな?
「そんなに美味しい?」
ひたすら食べまくるあたしに、不思議そうにお姉さんが聞いてくる。
「ほひひいでふ…。」
頬張りすぎて、美味しいって言葉になってない。
本当にケーキは美味しいから嘘ではない。
ただ、お姉さんと視線を合わせて会話するのが怖いだけ。
なんか痛い所を突かれそうで。
「そういえば、昨日の夜…。」
ドキッっと、凍りつくような緊張がカラダを駆け巡った。
一瞬にしてケーキをパクつくフォークが止まる。
「…昨日の夜?」
恐る恐る顔を上げた。
別に、やましい事なんかないのに。
フォークを持つ手が震えだしそう。
どうしてこんなに動揺しているんだろう?