届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「ハーゲンダッツのストロベリーね。お・じ・さ・ん。」

キラリと目の色を変えた。

さっさとテレビを消し玄関に直行。

おじさんて言われたのが気に入らないんでしょ?

一瞬、ムッとした表情を浮かべたけど。

かと思ったら、あたしのゲンキンな姿見てフッと笑っているし。

ハアッと小さくため息をつくと、あたしの後をついて玄関を出た。

そのため息は、まだまだ子供だとでも思っているんでしょ?

ハーゲンダッツのストロベリーを買ってもらえなきゃ、絶対に文句言っているね。

夏の日差しを照り返すアスファルト。

車道を通る車の音にかき消されても、かすかに聞こえるせみの声。

スーパーに着くなり、ダッシュでアイスコーナーへ走った。

「遅い!!」

なんて海翔に文句を言う。

「アイスは最後!!溶けるから。」

手招きされると、後ろ髪を引かれるかのようにシブシブ海翔の所へ戻った。

「今夜どうするんだ?」

「家にいるけど…。」

「一緒にご飯食べるか?」

「うん!!」

やったぁ~!!

でも海翔とご飯なんて初めてだ。

ちょっとワクワクしちゃう。

「なにがいい?」

優しく口元をゆるませた。

「おまかせで。」

だって、海翔のご飯なんて食べたことないし。

一度、作ってもらった時は、酔っぱらって寝ちゃったから。

何がおいしいかなんて分からないんだもん。

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