届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

本当にコンビニでハーゲンダッツのストロベリーを2つ買ってもらって。

満足げなあたしに、負けた感いっぱいの海翔だったけど。

その夜、初めて2人でご飯を食べた。

連れて行かれた先は、まさかまさかのファミレス。

「どうしてファミレスかな?」

眉は深くゆがんで。

口はポッカリと開いたまま。

「高校生は、ファミレスで十分だと思うけど…。」

今度は、海翔が形勢逆転。

勝ち誇ったかのように口元をゆるめた。

「だって、ハマってるハンバーグって言ったじゃん!?」

半分泣きそう。

ダマされた感いっぱい。

「ハマッてるよ?同僚と昼はよく食べるし。」

笑いながらサッサと歩いてく。

「そうじゃなくて…。」

言いかけた時、あたしの胸が切ない痛みを発した。

「どうした?」

海翔が振り返った。

「…。」

時間が止まったかのように、動けないでいる。

だって…霧生くんとまったく同じなんだもん。

初めてご飯を食べに行った時も。

2度目にご飯を食べに行った時も。

それだけじゃない。

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