届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
69 倉橋~said海翔~
次の日、オレは朝早くに出勤だった。
出勤するときには、まだ綾瀬唯は眠っていた。
「見てくれよ!!やっと手に入ったぜ。」
警察署に着くなり、同僚の森崎が真新しい携帯を見せた。
「どうしたんだよ?」
「スッゲェ欲しくて、発売決定から予約していたんだ。」
嬉しそうに答えた。
「へぇ~、そんなに人気あるんだ。」
それにしては、森崎のテンションが異常に高い。
買ったばかりの携帯を見せるだけなら、意味もなく目の前で使ってオレの気を引くのがいつもなんだけど。
少し不思議に思たのは一瞬。
「携帯ショップの店員が、スッゲェ可愛くてさぁ…」
やっぱり、理由は他にもあったか。
森崎のテンションからして、相当、可愛いのは間違いないな。
「マジで?オレも携帯ショップに用事ないかな?」
機種変更って理由で見に行きたくもなる。
ポケットをあさり携帯を探すが。
どこにも見当たらない。
「携帯なくしたか?」
森崎が心配そうな顔を浮かべた。
「おっかしいなぁ…ちょっと鳴らしてみるよ。」
デスクの電話の受話器を持って番号を押した。
プルルル…プルルル…
数回コール音が鳴った。
ガチャッ
「…もしもし。」
電話の向こうは、寝ボケた綾瀬唯の声だった。