届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
71 信じたくない再会
本日、人生2度目の補導。
今回は、ミュウの身代わりだ。
かれこれ30分前。
『G』のある繁華街で、一斉に未成年が補導された。
あそこは、家出した人達の行くところで有名だから。
ミュウが捕まりそうになって、慌てて補導員殴ったらあたしが公務執行妨害で捕まった。
まぁ、ミュウが無事だったらいいか。
でも、どうやって切り抜けよう?
前回は海翔をダマして帰れたけど、今回はお姉さんに来てもらうしかなさそう。
今回は海翔の部署じゃないっぽい。
補導された人とか、他の事件とかでごった返していて。
人数も20~30人はいるからなぁ。
こっそり帰っちゃおうかな?
なんて思って、キョロキョロと周りを見渡して。
目の前で監視している人いるから無理か。
腕組みしながら廊下のイスに座って考えていた。
「おい!!ここからは少年犯罪係に回してくれ。」
おじさんの大きな声が廊下に響いた。
その声が聞こえると、監視しいてる人にせかされて移動した。
少年犯罪係っていっても、海翔がいるとは限らないし…。
やっぱり、お姉さんに来てもらうしかないよね?
ため息をつきながら、覚悟を決めた。
開けられたドアを入ると、そのままドアの所に立たされて。
「どうしたんですか?」
「さっき補導した子達なんだが、こっちじゃ手に負えなくてね…。」
そういって会話する警察の人達。
なんとなく、一通り課内を見回した。
マズイ!!!
いや。
ラッキー?
人混みに紛れて海翔らしき人が見える。
他人のそら似?
まさか、こんなタイミングよくいるはずないよね?
ジッと海翔似の男の人の顔を見ていると。
眉をゆがめながら男が近づいてきた。
「おいっ。」
男の声に反応してビクッと体に緊張が走った。
ゆっくりと上げた視線。
バチッと男と目が合うと。
「…。」
「…。」
ポッカリと口を開けたまま、お互い言葉を失った。
海翔だ!!
思った瞬間。
グイッと強く腕をつかみ上げられると、隣の会議室へと押し込まれた。
「何をやってるんだよ!!」
声を押し殺したかのように怒鳴りつけた。