届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「関係ないじゃん。」
ポツリとつぶやきながら。
フイッと顔をそらした。
海翔がいるのは嬉しいこと?なのかもしれないけど。
偶然、いただけでしょ?
「関係なくないだろ?補導されているじゃないか!!」
「それは、あたしの問題だし。」
「ふざけるなよ!!それで、オレと住んでいるのがバレたらどうするんだ。」
「うまくやるから、安心してよ。」
相変わらず冷静に口元をゆるめた。
「補導されている時点で、オレに迷惑かけてないか?どれだけ神経刷り減らすと思ってんだよ。」
「はぁ!?勝手に神経刷り減らしているのは海翔じゃん。他人のふりしていれば、誰に気づかれるわけでもないのに。」
ここにいることが他の人に見られる方が、マズイと思うけど。
腕を組みながら、ハアッとため息をついた。
「そういう問題じゃないだろ?補導されている時点でダメだろ!!」
ハアアっと、大きなため息をつくと。
呆れた顔をしたと一緒だった。
ガチャ!!
突然、会議室のドアが開いた。
真っ暗な会議室に、隣の部屋の明かりが入ってくる。
「なんだ海翔か…何をやっているんだよ。電気も付けないで。」
そこには、少し驚いた顔をした男が立っていた。
「あ…いや…。」
動揺した海翔は、サッとあたしを自分の後ろに隠した。
「誰だ?その女の子。」
あたしをぞき込むかのように、不思議そうに海翔の後ろに顔を向けた。
「親戚の子。なんか、急用で来たらしいんだけど、ほら、今こんな状況だから帰ってもらおうと思って。」
慌てて嘘で固めている。
どうしよう?
ここでバレたら。
ドクン
ドクン
ドクン
緊張した鼓動が一気に体中をはねまわる。
ギュッと手を握りしめて。
海翔のうしろに体を縮ませながら。
男の視界に入らないようにしていた。