届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「携帯なくしたとか?」
ポツリと秀の口からこぼれた言葉に。
「そうだよね。」
そう思いたいのは、誰よりも尚吾だと思う。
ソファにもたれかかりながら、ボーっと窓の外の空を見上げている尚吾の顔に言いたかった。
「スッゲェ気になってるんだけど、どうして尚吾さんは唯さんじゃないの?」
突然、晶が突っ込んできた。
「晶…お前は昔を知らないから。」
うつむきながら、遠い目をした丘芹。
「なんだよ。昔って?!」
晶が正面に座っている秀に、身を乗り出して突っ込む。
「俺達が出会った頃だよ。」
フッと秀に笑顔が戻った。
「懐かしいな!!」
亮太が、ハイテンションで話に割ってくる。
「昔は唯を好きだったよ。」
尚吾は気だるそうにみんなに顔を向けた。
「大胆発言ですな!!」
丘芹が言うと共に、3人が一斉に尚吾の方へ振り向いた。
尚吾はいつもの鋭い目線で3人を見ると、パチンと指で弾いてマッチに火をつけ、くわえたタバコに火をつけた。
「昔はすぐにヤレねぇ女は、女じゃないと思ってたからな。」
尚吾がニヤッと笑う。