届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
頭の中は、整理したいのに引き出しが見つからないような戸惑った顔を浮かべていたら。
「マジかよ?!!」
急に亮太が携帯を見ながら、大声で叫んで立ち上がった。
一斉にみんなの注目が亮太に集まる。
「なんだよ。亮太…」
ダルそうな尚吾。
ダルそうなのは、亮太以外全員の顔。
どうせ、どこかの女の子とデートの約束でもできたんでしょ?
全員が同時に大きなため息をつこうとした瞬間。
「ミュウの行方が、分かりそうなんだよ!」
「マジか!?」
一瞬にして尚吾の目つきが変わった。
真っ暗な瞳の奥が。
一瞬にして小さな光が差しこんだ。
「どういう事だよ。」
秀が喰いつく。
「ミュウが前の晩、男と一緒だったのが分かったんだよ!!。」
「男と一緒?」
ガックリと肩を落としながら、全員の声がハモる。
多分…
『やっぱり、男とどこかに行ってたんだ。』
全員がそう思ったと思う。
「ああ、『G』のバイトが言っていたらしい。いなくなる前の晩に、男と一緒だったって。今、後輩からメール来た。」
「どんな男だったの?」
ソファから身を乗り出した。
「詳しい事は分からないけど。ただ、入り口の防犯カメラの映像待ち。」
「どれくらいかかる?」
さっきまでの柔らかい笑顔なんかじゃない。
初めて見る秀のするどいまなざしに。
ビクッと小さく体がおびえてしまいそうになる。
「結構いい加減に保管しているからな…一週間はかからないくらい。」
「わかった。悪いな。」
フウッと小さなため息をつくと、やり場のない顔つきをしながら。
グッとあたしを引き寄せると、力強く抱きしめた。
「ごめん…。今だけ貸してくれ。」
つぶやきに近い声が耳にかかる。
「いいよ…貸してあげる。」
ギュッと尚吾を抱きしめた。